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データ取得:2026-07-16未明

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連載中.

ひろわれたヒロイン、救いました

出井愛

全83話[102,775文字] 現実世界〔恋愛〕


 女の子が捨てられていた。


 小雨が降る下校途中、僕が見たのは汚れた段ボールの中に体育座りでうずくまる白いマフラーを巻いた女の子だった。

 学校は既に終わり帰宅に急いでいる生徒達はその段ボール少女に見向きもしようとせず、あきらかに『それ』を避けて歩いている。

 しかし、僕は帰宅部なので別に急いで帰る必要も無い。
 だからだろうか? そこの道端に落ちている段ボール少女の顔を見ようとしてしまったのは――


「あ……」
「え……」


 よく顔を見たらその白いマフラーの段ボール少女を僕は知っていた。

 同じ高校の子で、名前は……桜井さんと言っただろうか?
 確か、去年一年生の時に同じクラスだった女の子だ。隣の席になったから覚えている。

 二年生になった今ではクラスは別になり特に交流も無かったので、彼女がこんな奇行をする様な人には思えないが……
 もしかしたら、この小雨の中、段ボールで暖を取るのが彼女の趣味なのかもしれない。

 ……うん、ここは分かり合えるかどうかは別として、彼女の趣味を尊重するべきだろう。


「よし、帰るか……」


「あ、あの!」
『ミャ~!』


 そう思って、何も見なかったことにし、その場を立ち去ろうとすると、段ボール少女から僕を呼び止める『二つ』の声が聞えた。


「…………?」


 もちろん、僕を呼び止めた一つの声は彼女のものだ。

 しかし、もう一つの鳴き声は――


『ミャ~!』


 なんと、彼女の手の中に黒い子猫がいた……。

彼女が首に巻いてる白いマフラーで隠れていたのだろう。

 その子猫が『ミャ~!』と鳴いているのだ。


「にゃ、にゃぁ……」


 ……何故か、彼女も鳴いた。


「あ、あの……」
「……何かな?」


 そして、彼女はその子猫を抱えながら僕にすがるような声で言ったのだ。


「わ、わたしを拾ってください」

集英社小説大賞7 シリアス ほのぼの 男主人公 女主人公 現代 日常 ハッピーエンド 青春
全83話[102,775文字]
各話平均1,238文字
[推定読了3時間26分]
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最新作投稿:2026年07月15日(12:00:00)
 投稿開始:2026年06月04日(21:04:39)
 投稿期間:1ヶ月

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